休日ハンターのなすとと(@_nastoto)です。
実際に猟をするにあたって、猟場探しが最初のハードルです。
ですが、良い猟場を見つけるのはそう簡単ではありません。
僕の場合、例年実績をあげていた猟場が今期はぜんぜんダメで、新たな猟場を探さないといけないハメに…。
前シーズンに大量に箱罠が置かれ、大規模な駆除捕獲が行われたようです。相当数が捕獲されたか、プレッシャーを受けて近づかなくなったのでしょう。
これまでは良い猟場だったのに、ある年から急にダメになることもあるんですね…。
この記事では、猟場探しから獲物の捕獲にいたるまでの流れを紹介します。
最適な猟場の条件とは?
良い猟場といっても、その条件は人それぞれでしょう。まずは、自分にとって最適な条件を考えてみます。
- 家からなるべく近い(車で30分以内)
- バイクや車でアクセスしやすい
- 人の立ち入りが少ない
が基本的な条件です。
家族からは、
と釘をさされているため、現場解体で枝肉にして持ち帰る必要があります。
となると、
- 沢・水場が近い
も必要条件なのですが、なかなか全ての条件を満たす場所は見つかりません。
水についてはタンクやポータブルの高圧洗浄機を持参して補うことにしました。
地図で猟場の条件を満たす場所を探す
条件が決まれば、それらを満たせそうな場所を地図上で探します。
使うのは、
- ジオグラフィカ
- ハンターマップ
ジオグラフィカはオフライン環境でも使える『キャッシュ型オフラインGPSアプリ』。その機能のほとんどが無料で使え重宝します。
その、ジオグラフィカで、ざざっと条件に近そうな場所に目星をつけ、そこが可猟エリアか否かをハンターマップで確認。
ハンターマップは広域すぎて詳細がよくわかりせん。国有林エリアについては、地域の森林管理署からもらったエリアごとの拡大地図も併せて参照。
条件的には良さそうですが、銃猟禁止エリアみたいです。ここで猟をするなら、選択肢は「わな猟」の一択になります。
とりあえずジオグラフィカで目星つけた候補地にわかりやすいようマーカーを立てておきます。
次は実際に現場に行って歩いてみます。
目星をつけた猟場を歩いてみる
現場にきました。とにかく、周辺を歩いて地図だけでは分からない情報を集めます。
ポイントは、
- 地形的条件をみる
- 獣の痕跡をみつける
- 他者の立ち入り頻度をみる
といったところです。
はじめて立ち入る山中は迷わないよう、GPS機器は必須です。GARMIN Instinctのトラックバック機能をオンにして、ジオグラフィカでトラック記録しておきます。
トラックバックとは=GPSによる軌跡を辿ってスタート地点に戻れるナビゲーション機能
藪の中に不法投棄らしき大型ゴミが散らばっています。ところどころに、不法投棄禁止の看板や監視カメラも設置してあります。
車でアクセスしやすい=人が立ち入り易い
といえます。
銃猟禁止エリアに指定されているのも納得。
この周辺にわなを仕掛けるなら、事故防止のため、人の立ち入りには注意を払う必要がありそうです。
竹林に入るとイノシシが掘り返したような穴がたくさんあります。
奥にはほぼフラットな窪地になっていて、大きな泥地=ヌタ場を発見。
泥地には獣の足跡、周辺の樹々には泥を擦り付けた跡がばっちり残っています。
イノシシやシカのフンもちらばっています。
多くの形跡があるので、ここにトレイルカメラを数台設置して観察してみます。
トレイルカメラで猟場を観察する
トレイルカメラを数日間設置し、撮影データを確認します。
獣の動きを確認する
さて獣の姿は映っているでしょうか。
バッチリ写っていました。獣がいるとわかったら、以下をしっかりと確認します。
- 獣が現れる頻度
- 獣が現れる時間帯
- 獣が現れる方向
- 獣が歩いてるルート
などです。
トレイルカメラは安価なものでも十分戦力になります。
獣の痕跡が強い場所を集中的に、複数台使ってマルチアングルで観察するのがおすすめ。
収集した撮影データ見ると、ほぼ毎日シカやイノシシが来ています。わなを仕掛けるには期待が持てるポイントといえそうです。
人の立ち入りの有無を確認する
撮影データの検証で、もう一点大事なのが、人の立ち入りの頻度です。
今回のポイントは、土・日曜日にときどき人が立ち入っているようです。狩猟者ではないようですが、ハイカーでもなさそうな様子。山菜・きのこ取りかなにかでしょうか。
なんにせよ、人の立ち入りがあるので、わなを設置したら周辺に注意喚起の札を入念に掲出しておく方がよさそうなことが分かりました。
プリントアウトののちラミネートして、使ってくださいね。画像のダウンロードはこちら
人の立ち入り頻度を予想するには、ヤマレコのマップも役に立ちます。過去、ユーザーが歩いた軌跡がドットで地図上に表示されるので、ハイカーの濃度がよく分かります。
猟場にわなを設置する
撮影データから得た情報と、現場に残された獣の痕跡をよく見て、くくりわなの設置場所をきめます。
わなを設置したら、人が近づかないよう周囲に注意喚起の札を掲出しておきます。
引き続きトレイルカメラで現場を監視を続けます。
猟場のわなの見回りをする
設置中は可能な限り毎日見回りをします。見回りができないときは、撤去するか倒木等でくくりわなが作動しないよう封印しておきます。
獲れていなかった場合は、トレイルカメラの撮影データを見て獣の動き・歩いているルートを再検証します。
最初に2つセットした場所からやや離れた倒木の脇に、くくりわなを1基追加します。
獣がかかるまで、くくりわなの位置の再検証・移設・ルート工作を繰り返し捕獲に近づけます。
新猟場での初捕獲
数日後の朝、見回りにいくと、追加した3基目のくくりわなにイノシシがかかっていました。
これまでの猟場では安全を心配して、銃で止め刺しを行っていました。ただし、今回は発砲禁止エリアです。銃はつかえません。
もう一本ワイヤーで鼻をくくり動きを止め、ナイフによる止め刺しとなりました。
まとめ
猟期に入ってからのイチからの猟場探しでしたが、新たな猟場をみつけ、どうにかイノシシ1頭を捕まえることができました。
あるとき急に、馴染みの猟場で成果があがらなくなることも起こることが分かりました。
そんな時に備えて、猟場のストックもいくつか作っておくと安心ですね。
地図を眺め、新たな猟場発掘に現場を散策することも狩猟の一環として、楽しんでいきたいですね。
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